高品質の理由

110年の伝統が作る確かな品質

アルファーは1897年に大阪で創業され、以来今日まで時代の変化に合わせて人々の暮らしを豊かに彩るニットウェアを作り続けてきたカシミヤニットのパイオニアです。

カシミヤは自然が育んだ繊維の宝石です。

カシミヤ山羊の原毛一頭から採取できる産毛は約150~200gで、年に一度だけです。セーター(紳士用)を1着作るのに山羊約3頭分の産毛が必要です。

カシミヤ山羊の原産地

カシミヤとはカシミヤ山羊から取れる毛のことで、名前はインド、パキスタン、中国の国境にまたがる山岳地帯の名称カシミールに由来します。現在カシミヤ山羊が生息するのは主に中国、モンゴル、イラン、ロシアなどですがニットを編むのに使える繊維が長くて細い上質な毛を持つカシミヤ山羊は中国・内蒙古産のものが代表的です。 カシミヤ山羊にはその毛の色によってホワイト、ブラウン、グレーなどに大別されますがその中でもどんな色にでも染められるホワイトカシミヤが重宝されており、他の色より高値で取引されています。

選りすぐりの原毛にこだわる。

ひとくくりにカシミヤと言っても原毛の品質は千差万別です。一本一本の産毛の毛足が長くて細いものが上質な原毛です。

日本でできることは可能な限り日本でやる。〜 Made in Japan へのこだわり〜

カシミヤ山羊の原産地は主に中国なので原毛は中国から輸入しています。 しかし紡績・編立・縫製という仕事は古くから日本で育まれた伝統的な産業です。その産業の伝統を守り、絶やさず後世に継いでいくため自分たちの着るものを自分たちの国でつくる。それが我々の義務であり使命であると思います。日本のメーカーとしてこのテーマにはこだわり続けるつもりです。

「風合い」 をつくりだすのは職人の手。

機械を使って生産効率を上げることは今では当たり前のことになりましたがそれでも今なお人の手によってしかできない工程もあります。

人の手でしかできないこと。

ニットのセーターをつくる工程で「編む」という工程は今ではコンピュータの編機が開発され完全に工業化されています。一方で着るものには寸法や目付などの数字で表せる規格以外に、「風合い」(手触り)や「着ごこち」などと言った数値化できない感覚的な概念があります。 これらをコントロールできるのは機械ではなく熟練した職人の手です。各工程ごとにそれぞれ熟練した職人が存在し、彼らの手でひとつひとつの作業が成されていきます。天然繊維は自然界に生息する生き物なのでその時々、個々で品質も違います。それらの違うものたちを最終的に同じモノにつくり上げてしまうのが職人の手なのです。

徹底した品質管理 〜 カシミヤの混用率について〜

数年前よりカシミヤ製品の組成の不当表示が問題になっています。 当社では日本国内で生産する製品については糸を仕入れる紡績会社より混用率証明書を発行してもらっています。不当表示の問題になっている製品の多くが中国から輸入された製品のようですが、当社では初めに、使用する原毛の検査、そして編地での検査、1点サンプルでの検査、量産品抜き取り検査と何度も検査を行います。

こうして各段階にて検査を行うことによって万が一家庭用品品質表示法で定められた基準に満たない製品が見つかっても事前に流通を止めることができます。何よりも同じ価値観、考え方を持つ信頼できるパートナーと長く取り組むことがこういう問題に直面しない最良の方法であると思います。

当社が品質の検査でいつもお世話になる㈶毛製品検査協会さんの混用率試験の作業現場です。この試験は人の眼によって一本一本の繊維を判別していきますのでかなりの時間と労力を要します。この試験を行える技術者は日本国内では20名足らずです。当然、コストも安くはありません。

大切に、そして長く着続けてほしい。

「カシミヤ=高価な衣料品」、世間ではこのような認識を持たれてる人がほとんどじゃないでしょうか? ではこの「カシミヤ」が中国の高地に生息する山羊のことであるということを知ってる人はどのくらいいるでしょうか?「カシミヤ」のことを知らない人にもまずはこの柔らくて温かい希少な繊維に触れてもらいたい。そして「じゃあカシミヤとは一体どんなものか?」と興味を持ってもらいたい。カシミヤをご愛用される方は「これを着てしまうと、他のモノは着れなくなる」と、おっしゃいます。そういう方たちはカシミヤを大切に扱い、長く着用されてます。私たちはそう言ってくださる方を一人でも多く増やすために価値あるモノをつくるための努力を続けていきます。そしてこのホームページがカシミヤを着ていただくきっかけになれたらと思います。

取材協力 : 深喜毛織株式会社 財団法人毛製品検査協会 編集・発行 : 株式会社アルファー